響けユーフォニアム第11話
このアニメで最後にコンクールに勝つということは
それまでに「部が一つになる」ことと同義なはず。

6話までの前半で、
部が全国大会を目指す空気になっていくところは綺麗に描けていたが
今の切り口は「オーディション」に変わっている。

よりよい演奏をするためには
よりよい奏者を選ぶ必要があるのは道理だが、
この選別方法が、部が一枚岩になるための最後の障壁になったな。

高坂さんと香織の関係は、久美子となつきのように綺麗には収まっていない。
相手を認めることの難しさ。
自分の情熱が深ければ深いだけ難題になっていくこの問題に、彼女たちがどう向きあったか。
この回と、この次の12話で納得できるかがこの作品の勝負どころだ。


3年の香織にとってはこれが最後のコンクールというのが状況的にツラいところで、
去年のチャンスを「2年生退部事件」で棒に振ってしまった点が
一層、同情的な状況を作ってしまっているが・・・


うさぴょんと久美子の会話、香織とあすかの会話からみても
当人らも高坂さんのがソロにふさわしいことは奥底では分かっているみたい。

一方、高坂さんも、自分が蹴落として勝ってもいいのかという迷いは
少なからずあったように読み取れた。
引く気は微塵もないが、重さがわからないほど無神経ではない。
だからこそ、応援に来てくれた久美子との会話で最後に確証を持ちたかった。

決着時の両者の言動は、このあたりをよく踏まえていたな。


しかしこういう回をやるんなら、
序盤にあすかを目立たせるよりは香織をもっと描いたほうがよかったようにも思う。

あすかや晴香くらいの格式のキャラがこれの当事者になってたら
今の印象よりずっとずっと重い回だったようにも思えるしなぁ。
それこそ、こんな小賢しい考察をする暇もないくらい固唾を呑んで見守ったかもしれない。

いや、しかしあすか先輩は一体なに星人なんだろうか。
もはやこの回では少し不快感すら覚えたが、彼女はこのキャラのまま終わるのかね。


まあ、全体的にこの回はこんなもんだろう。
双方が認め合える余地みたいのは感じたが、
次回このあたりをすっとばして済んだことにされてたら、
それは結への助走としては明らかに不足になると思う。
それこそ全体の流れの中で
ここで何のためにオーディションをやったのか読解不可能、ってくらいまで
作品のレベルが落ちてしまうんだけど、やりかねない脚本構成だから少し怖い。


次に香織がなんて声をかけるのかってところには、
諦めでもないし、納得したというほど淡白でもない、そういうのを超えた境地を求めたいな。

しかし、この回は山岡ゆりの好演が目立ったな。
うさぴょんは構成が悪いせいで視聴者には気持ちに同調しにくいキャラだったが
声優の力だけでそれをなんとかしてみせた。
お見事。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索