獣の奏者エリン(2009年)
獣の奏者エリン(2009年)
「私は結局あなたを戦争の道具に使う愚かな人間だわ…」


名作と聞いていたが
全50話という長さにひるんでいた作品。
ようやく見ることができました。


獣の奏者エリンは、獣の医術師の物語。

獣を騎兵のように軍事利用することで公国が成立しているのが舞台設定。
そこにはいくつもの掟が存在し
獣が自然にありのままには生きていけない世界だった。

世話をする王獣リランとの関係を暖かく描いていく反面で、
獣を人間の掟で縛ることへの葛藤を抱えながら、公国の争いに巻き込まれていく。


後半は難しいテーマというか、
どのようにすれば国が安定するのかという話と、獣の自由を尊重する話が
完全に相反するので、締め付けられるような展開になるのだが…
(ダミヤを描写的には悪く描かざるをえないのだが、絶対悪かというと難しいと思う)

悲しいシーンやきついシーンも多い中で
作品全体としては暖かい印象のほうが残ったのがとても良かった。


50話と長丁場だったが、10歳編-14歳編-18歳編と3部構成になっていて
エリンの人格形成の描写がとても丁寧で、話数相応に感じました。

エリンの才女っぷりが見ていて心地いい。
もし、この世界が救われるとしたらエリンのような娘が救うんだろうと思えたし、
ソヨンやジョウンとの関係もとても暖かかった。

49話はすごくいい回だったが、最後のシーンは
母も抱えていた葛藤への回答、選択をエリンが決着させたことにもなる場面だった。
母ソヨンは7話で退場したにも関わらず、作品の中で全編を通して存在感があった。
最後のエリンの選択をどのように見守ったのだろうか。


15話、22話は特に良かったです。
リランが心を開く理由とか演出はすごい印象に残った。

それからNHKのアニメは次回予告の文面がすごく良いですね。
最近はログホラで感じましたけど、やっぱ一番予告って感じがしてワクワクします。
「エリン、幸せになりなさい。」
冷たい土の上でリランの白い翼を見上げながら私はお母さんの言葉を思い出していた。
もう思い残すことはない。リラン、幸せにおなりなさい。
さようなら、リラン。

獣の奏者エリン、『獣の奏者』
↑49話の引きからの最終回の予告は美しかった…


これは文句なく名作でした。
俺の趣向的にもすごく好きなアニメです。

今は割と本数みてるので時間を使ってしまいますが、
また時間をみつけて4クール作品を完走したいですね。

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