ラヴニカのギルド・クイックドラフト考察
2018年10月14日 MTG(オワコン)
-100 5-3 ボロス
-700 0-3 ディミーア
-100 5-3 ディミーア+白赤(フィニッシャー追加型)
+100 6-3 セレズニア+黒(ヴラスカ)
+200 7-2 ボロス
-550 2-3 ボロス
-300 4-3 緑青+黒赤+白(諜報+宿根+収斂バリスタ)
+100 6-3 イゼット
-450 3-3 イゼット+白(ゲート)
+200 7-2 ゴルガリ
+100 6-3 セレズニア
-1500Gem / 11回
1回あたり-150Gem以内に収まれば毎日1回ドラフトできる計算になります。
大まかな総論を言えば、
ガンダム的にはディミーアは評価が低く、真っ先に避けるギルドであります。
アリーナでは「虚報活動」がやたら流れてきますが
自分もAIと同じく、流れてきても取りません。
(虚報活動を理由には絶対にスタートしません)
積極的にやりたいのはボロスで
これは対戦相手が組んでくるディミーアに勝てるため。
残りの3種は拮抗していて、どのギルドをやっても支障はない。
ギルド間のバランスは良いと思っております。
アリーナに限らない実物での環境考察という意味では
時期遅れ、後発もいいところではありますが・・・
10/12のアリーナでのクイックドラフト入れ替わりから
プレイした範囲で、今回のセットの雑感などを書いていきます。
---------------------------
ボロス
---------------------------
コモンに3種の飛行戦力(1/1鷹、2/2空騎士、2/3巡視兵)があり
5マナ3/3のビーストで2体タップできる。
セット全体の評として
今作は「カードが弱く、勝ち手段を意識すべき」セットだが
その点、ボロスだけは唯一ゲームプランが見えやすいギルドである。
現時点での一歩踏み込んだドラフト感でいえば、
・召集は相性が悪く、基本は取らない。
白を含むのでセレズニアの召集カードも使えるが
4/5天使を取る形にはなかなかならない。もちろん取ってもいいんだけども。
・召集のタネである1/1トークンは取る。
こちらは教導とも相性がよいためである。
・教導はパワー2と3の間に大きな隔たりがある。
戦闘前にパワーを操作して教導するのがボロスの戦術だが、
当面はパワー3の教導を作るのが目標だ。
その点で最初から3である3/3教導を評価している。
余談だが
過去作のラヴニカのリミテッドでも
まず最初に「ギルド間の相性」をよく理解することが重要でありました。
今回のボロスについても
ディミーアに強く、ゴルガリに対しては弱いのは大体いつもの感じと似ている。
コンペドラフトであれば「タフネス4以上破壊」などにも価値が出てくるはずだ。
(クイックで一本勝負のうちはメイン使用には耐えない)
---------------------------
ディミーア
---------------------------
諜報するカード、トリガーするカード、ともに優秀で
キーワードの強度としてはボロスの「教導」に次ぐ第2位。
往年のラヴニカでは常に最下位をさまよっていたディミーアとしては面目躍如である。
アリーナではやたらディミーアの点数表が安く、
同環境でデッキを作ってきた対戦相手もよくディミーアを組んでくる印象であるが、
個人的な好みではディミーアの評価は低い。
以下がドラフト感である。
・フィニッシュできるカードが圧倒的に足りない
3/4霧スピリット以外には、
アンコモンであっても偵察虫や5/4スフィンクスくらいしかプールにない。
アドバンテージを完全に制圧してから、終わるまでが長い。
(ライブラリがやばいから、4マナのカウンターが
ガイアの祝福効果でデザインされているのだろう。
つまり、ディミーアの決め手は「デザイン時点から意図的に弱い」のである。)
・ドミナリアやアモンケットにあった「魂回収」系のカードがない
打点を期待していたクリーチャーが死ぬことがかなり痛手である。
3/1のコウモリが死ぬだけでもかなり心痛がある。一回死んだらもう帰ってこない。
・5マナ4/5は強力だが、殴って地上をぶち抜けることは期待しにくい。
除去に諜報がついていて、
代表的なエンチャントである「虚報活動」+バウンスのシナジーも含め
ディミーアは、理屈上は呪文で盤面を除去する能力が高い。
しかし4/5が殴れる場を望んでいたら全然足りない。これで勝つのは非現実的である。
・2マナ1/3「壁過の達人」はまだ試していないが、デザインの意図は感じる能力である。
要するに、ドラフトに失敗したら、
これで終わらせに行くしかないということである。
3マナのシェードなども、終盤を意識されているカードではあるだろうが
これは5マナ4/5などと違って、出てしばらくは非常に弱い。これが難である。
・「ピストン拳のサイクロプス」を苦手なボロスへの壁として使用することがある。
ディミーアの防御面は接死が重要ではあるが
今回、パワー4は活胞子のワームも相打ちできるため、
サイクロプスも接死と概ね同義である。
ディミーアをドラフトするときには、
アドバンテージ能力よりもまずフィニッシャーを意識します。
強いアンコモンクリーチャーならいざ知らず、
3/4霧スピリットすら取れていないときは、デッキが完成しない形である。
流れから不安を感じたら、色を足してフィニッシュしてくれるカードを追加しよう。
ディミーアと対戦する際には、まったく逆の視点になる。
つまり、
序盤にアドバンテージでグチャグチャにされるのは折り込み済み、
3/4のスピリットをすべて落として猶予を作り、引き込んだカードで押し返す。
アリーナでは恵まれた流れが起きやすい色であるが
個人的にはあまりやりたくないギルドである。
---------------------------
イゼット
---------------------------
まず、前提として
決め打ちで始めるギルドではないし
イゼットに切り込む=スペルデッキを目指す、ということでもない。
溶岩コイルとか夜帷のスプライトとか、強めのカードからスタートしたものの
ボロスやディミーアは空いてない、というときの第二の道。
高単価なカードの寄せ集め、というコンセプトから開始するのが良いと思っております。
「教導」「諜報」ともに強力な能力で、それを両方とも使えるというのが
立ち位置的には面白いカラーリングである。
「夜帷のスプライト」を教導したらワクワクしないかね?
以下、ドラフト感など
・ゴブリンの電術師は「いらない」
ええっ?って感じだが、必要ない。
「標の稲妻」「つぶやく神秘家」を擁する
完全なスペルデッキの形であればいざ知らず
標準性能は「気難しいゴブリン」「初々しい補充兵」のほうが優秀。
最も良いのはザダ能力を持つ「光線分割の魔導師」で、
他席に触られにくく取りやすいカードでもある。
・クリーチャーの質が落ちやすい。
重くて強いカードが全くないカラーである。
ゲームプランとして、2~4マナ域を補助して勝ち切る戦略を意識する必要があり
3/4霧スピリット、3/3ドラゴン、5/4スフィンクスなどは
取れる機会があるのであれば、貴重品である。
・イゼットでは「確実な一撃」がハイセンス。
ボロスの教導と、イゼットのスペル誘発を両方狙っていく形が好みであります。
「夜帷のスプライト」は、場に残っている=相手に除去がないということなので
割と自信を持って敵の3/4飛行、2/3飛行を葬れる。
・「再活」は理屈上は多色と相性が良い?
フラッシュバックよりも弱いがっかり能力で、不満ももちろんあるのだが
好意的に考えれば、手札のダブついたカードの再利用価値をあげる効果を
持っている、ということである。
一度「ギルド会談」と3/3二段攻撃を使った多色ゲートデッキを狙ってみたが
そこで再活と多色の相性のよさに気がついた。
要は、「土地を18入れやすく」かつ
「マナ事情で使えないカードの手札の再利用価値を上げてくれる」
あくまで、初手で高得点な赤青アンコモン・レアから入っているときの選択肢であり
コモンレベルでの完成形はない。
そのスタートラインに立てた時には面白いギルドである。
イゼット自体がマニアックな色のため、
0/4壁「静電場」「ギルド魔道士」「光線分割の魔術師」1/3飛行「小柄な竜装者」など
低マナ域のイゼットカードは卓上も触りにくく、
マルチカードが拾いやすいのが利点である。
---------------------------
セレズニア
---------------------------
召集がキーワード能力で一本調子のデッキになりやすいが
サイズ面、ライフゲイン能力でボロスに強く、トークン戦術はディミーアに強い。
全体的にカードパワーが弱い中、
セレズニアがクリーチャー単価で圧倒しないように接死のクリーチャーが多めに収録され
バランスが取られている形になっているように思います。
以下、ドラフト感
・4/4ケンタウロスが軸
攻め手としては3マナ域2体で止まるのは残念だが
単発で負けるのは包囲ワームのみ。相対的には軸として及第。
こいつをさっさと出し、警戒+召集でアンコモンの4/5飛行やX/Xに繋げていくのが
セレズニアのゲームフローである。
もちろんこいつで勝てることはないので、勝ち手段としては勘定しない。
・セレズニアで取りまくるカードは「鋼銅の甲虫」
召集で重要なのは、低マナ域の「持久性」である。
「癒やし手の鷹」や2/2警戒「盾仲間」を召集に使った後、
小兵たちが中盤以降も機能し続ける展開が、召集では最も強い。
軽い除去がすくないので、「鷹」を2/2にして召集につなげる初動は特に強力だ。
終盤に引いた虫は、2/3飛行「巡視兵」から教導操作が狙える。
希少カードではあるが「サンホームの重鎮」と組んだときには特にすごい効率である。
逆にいえば、虫がいないと安い1~2マナ域は単独でほぼ何もしてくれなくなる。
(虫がいないならそもそも「盾仲間」は採用できなくなるレベルである)
虫は取れるだけ取りまくっておこう。
ラヴニカでは、
ギルド特性のクロスオーバーというのも構築の魅力であり、
白緑で使えるキーワードは「召集」「教導」「宿根」の3つ。
個人的には「宿根」はクリーチャーをたくさん入れるという観点では近いものの
死んだら困るので、相性はあまりよくないと思っております。
単体で強い「活胞子のワーム」ですら、できれば召集持ってる別のがいいかな
と思ってしまう程度。
セレズニアじゃ、クリーチャーは場に残したほうが強いからであります。
包囲ワームと択れる状態なら包囲ワームのがいい。
だいたいのプレイ感覚としては
セレズニアは「召集」「教導」の連合軍。
3色にするメリットはほとんどないので、
純正2色を狙う形になるのではないでしょうか。
汎用的な初手からスタートできることはかなり少ないので、
色の好み&決め打ち気味な性質を持つギルドかもしれません。
---------------------------
ゴルガリ
---------------------------
前作のキーワード「活用」は
(活用:墓地から+1/+1カウンターになって戻ってくるやつ)
1枚完結で2段階動作する単純な強化特性であった。
今回のキーワード能力は「宿根」
これがクセモノで、1枚で完結しない内容のために
デッキごと完成させなければ機能しない。
平たく言えば弱いギルドと思っていたが
対戦相手が出してくる4/4ライフゲイン「クロールの食料隊」が毎回強く
実際自分もゴルガリを組んでみたら7勝。
大穴ポジションには変わらないが
なんだ?強いのかと評価を改めている段階で、
個人的には好きなギルドである。
「クロールの食料隊」はゴルガリ以外ではまず使いみちがなく
固め取り→連射されると、どのデッキで対戦していても中々苦戦を強いられる。
以下、ドラフト雑感
・墓地を増やす呪文は存在しない
スポイラー時点でわかっていたことだが
アンコモン「光胞子のシャーマン」以外は墓地を作る行為がそもそもできない。
色の不人気さ故に、光胞子のシャーマン自体は1~2枚は取れるだろう。
・極端に「宿根」依存するカード自体も少ない
0/0の「ゴルガリの略奪者」、2/2の「よろめく根茎」の2種である。
クロールの食料隊、活胞子のワームなどは宿根していなくても
ギリギリ我慢して出せる性能である。
・「泥棒ネズミ」を取りまくる
いかに損をせずに場のクリーチャーを死なせるか、というのが
ゴルガリ低マナ域が意識するべき役割。
「ネズミ」「気前のいい野良猫」がゴルガリのテーマに合うカードだが
できれば2マナのネズミを固め取りするほうが望ましい。
ネズミと食料隊を連打するゴルガリを想像してみればダルさがわかるはずだ。
後半で変換できるように4/1飛行「クロールの群れ」があるとなおよい。
・1/4「イトグモ」を取る
ボロスだけでなく、苦手なディミーアにも強いカードである。
最終的にはディミーアもライブラリがなくなる前に勝つ必要があり、
これに対処行動をしなければならない。
もちろん、たくさんは必要ない。
・諜報をもつ除去は最優先で取る
基本的に今回はクリーチャーが弱いため
(軽いクリーチャーに要除去対象が集中し、重いクリーチャーが弱い)
今作では、個人的な見解としては「除去は弱い」セットである。
しかし、ゴルガリにとっては諜報除去は重要だ。
もちろん卓上でも高いので、取れなければ「切断された糸」でガマン。
ネズミが取れていればこのカードも十分便利なカードではあるが。
・「押しつぶす梢」メイン採用
飛行かエンチャントを破壊できる。
ディミーアの項目でも書いたが、
あちらのデッキは飛行を潰されたら勝ち目のなくなるデッキである。
飛行をすべて潰して時間を作り、手札0の状態から
デッキのクリーチャーをめくれた順に全部出すまで付き合ってもらう。
全然逆転可能であり、対青黒への標準的な勝ち筋の形とすら言えるかも。
反復になりますが
まず「ギルド間相性」を理解するのが
ラヴニカのリミテッドでは習熟の初歩であります。
歴代ラヴニカセットでも、ゴルガリやオルゾフは常にディミーアのカモであった。
ゴルガリが7勝を目指す際には、これは必要な視点であります。
ゴルガリは、
初手でスタートできるカードがそもそもレアまで含めても非常に少ない。
(そのうえ、最上位のヴラスカと分割レアは
別の色からのタッチで使いやすい性質、という始末)
「ゴルガリの拾売人」ですらボーダーという感じだろうか。
それでも
卓上の流れからゴルガリに行ったほうが良い場合は必ずあるため、
ゴルガリを狙うときの組み方は、嗜み的に習得しておかねばならんでしょう。
全体的にカードの強さが渋いとき、
専用・安価なカードで固め取りできるゴルガリのカードは
備えとしていくつか拾っておいても良いように感じております。
-700 0-3 ディミーア
-100 5-3 ディミーア+白赤(フィニッシャー追加型)
+100 6-3 セレズニア+黒(ヴラスカ)
+200 7-2 ボロス
-550 2-3 ボロス
-300 4-3 緑青+黒赤+白(諜報+宿根+収斂バリスタ)
+100 6-3 イゼット
-450 3-3 イゼット+白(ゲート)
+200 7-2 ゴルガリ
+100 6-3 セレズニア
-1500Gem / 11回
1回あたり-150Gem以内に収まれば毎日1回ドラフトできる計算になります。
大まかな総論を言えば、
ガンダム的にはディミーアは評価が低く、真っ先に避けるギルドであります。
アリーナでは「虚報活動」がやたら流れてきますが
自分もAIと同じく、流れてきても取りません。
(虚報活動を理由には絶対にスタートしません)
積極的にやりたいのはボロスで
これは対戦相手が組んでくるディミーアに勝てるため。
残りの3種は拮抗していて、どのギルドをやっても支障はない。
ギルド間のバランスは良いと思っております。
アリーナに限らない実物での環境考察という意味では
時期遅れ、後発もいいところではありますが・・・
10/12のアリーナでのクイックドラフト入れ替わりから
プレイした範囲で、今回のセットの雑感などを書いていきます。
---------------------------
ボロス
---------------------------
コモンに3種の飛行戦力(1/1鷹、2/2空騎士、2/3巡視兵)があり
5マナ3/3のビーストで2体タップできる。
セット全体の評として
今作は「カードが弱く、勝ち手段を意識すべき」セットだが
その点、ボロスだけは唯一ゲームプランが見えやすいギルドである。
現時点での一歩踏み込んだドラフト感でいえば、
・召集は相性が悪く、基本は取らない。
白を含むのでセレズニアの召集カードも使えるが
4/5天使を取る形にはなかなかならない。もちろん取ってもいいんだけども。
・召集のタネである1/1トークンは取る。
こちらは教導とも相性がよいためである。
・教導はパワー2と3の間に大きな隔たりがある。
戦闘前にパワーを操作して教導するのがボロスの戦術だが、
当面はパワー3の教導を作るのが目標だ。
その点で最初から3である3/3教導を評価している。
余談だが
過去作のラヴニカのリミテッドでも
まず最初に「ギルド間の相性」をよく理解することが重要でありました。
今回のボロスについても
ディミーアに強く、ゴルガリに対しては弱いのは大体いつもの感じと似ている。
コンペドラフトであれば「タフネス4以上破壊」などにも価値が出てくるはずだ。
(クイックで一本勝負のうちはメイン使用には耐えない)
---------------------------
ディミーア
---------------------------
諜報するカード、トリガーするカード、ともに優秀で
キーワードの強度としてはボロスの「教導」に次ぐ第2位。
往年のラヴニカでは常に最下位をさまよっていたディミーアとしては面目躍如である。
アリーナではやたらディミーアの点数表が安く、
同環境でデッキを作ってきた対戦相手もよくディミーアを組んでくる印象であるが、
個人的な好みではディミーアの評価は低い。
以下がドラフト感である。
・フィニッシュできるカードが圧倒的に足りない
3/4霧スピリット以外には、
アンコモンであっても偵察虫や5/4スフィンクスくらいしかプールにない。
アドバンテージを完全に制圧してから、終わるまでが長い。
(ライブラリがやばいから、4マナのカウンターが
ガイアの祝福効果でデザインされているのだろう。
つまり、ディミーアの決め手は「デザイン時点から意図的に弱い」のである。)
・ドミナリアやアモンケットにあった「魂回収」系のカードがない
打点を期待していたクリーチャーが死ぬことがかなり痛手である。
3/1のコウモリが死ぬだけでもかなり心痛がある。一回死んだらもう帰ってこない。
・5マナ4/5は強力だが、殴って地上をぶち抜けることは期待しにくい。
除去に諜報がついていて、
代表的なエンチャントである「虚報活動」+バウンスのシナジーも含め
ディミーアは、理屈上は呪文で盤面を除去する能力が高い。
しかし4/5が殴れる場を望んでいたら全然足りない。これで勝つのは非現実的である。
・2マナ1/3「壁過の達人」はまだ試していないが、デザインの意図は感じる能力である。
要するに、ドラフトに失敗したら、
これで終わらせに行くしかないということである。
3マナのシェードなども、終盤を意識されているカードではあるだろうが
これは5マナ4/5などと違って、出てしばらくは非常に弱い。これが難である。
・「ピストン拳のサイクロプス」を苦手なボロスへの壁として使用することがある。
ディミーアの防御面は接死が重要ではあるが
今回、パワー4は活胞子のワームも相打ちできるため、
サイクロプスも接死と概ね同義である。
ディミーアをドラフトするときには、
アドバンテージ能力よりもまずフィニッシャーを意識します。
強いアンコモンクリーチャーならいざ知らず、
3/4霧スピリットすら取れていないときは、デッキが完成しない形である。
流れから不安を感じたら、色を足してフィニッシュしてくれるカードを追加しよう。
ディミーアと対戦する際には、まったく逆の視点になる。
つまり、
序盤にアドバンテージでグチャグチャにされるのは折り込み済み、
3/4のスピリットをすべて落として猶予を作り、引き込んだカードで押し返す。
アリーナでは恵まれた流れが起きやすい色であるが
個人的にはあまりやりたくないギルドである。
---------------------------
イゼット
---------------------------
まず、前提として
決め打ちで始めるギルドではないし
イゼットに切り込む=スペルデッキを目指す、ということでもない。
溶岩コイルとか夜帷のスプライトとか、強めのカードからスタートしたものの
ボロスやディミーアは空いてない、というときの第二の道。
高単価なカードの寄せ集め、というコンセプトから開始するのが良いと思っております。
「教導」「諜報」ともに強力な能力で、それを両方とも使えるというのが
立ち位置的には面白いカラーリングである。
「夜帷のスプライト」を教導したらワクワクしないかね?
以下、ドラフト感など
・ゴブリンの電術師は「いらない」
ええっ?って感じだが、必要ない。
「標の稲妻」「つぶやく神秘家」を擁する
完全なスペルデッキの形であればいざ知らず
標準性能は「気難しいゴブリン」「初々しい補充兵」のほうが優秀。
最も良いのはザダ能力を持つ「光線分割の魔導師」で、
他席に触られにくく取りやすいカードでもある。
・クリーチャーの質が落ちやすい。
重くて強いカードが全くないカラーである。
ゲームプランとして、2~4マナ域を補助して勝ち切る戦略を意識する必要があり
3/4霧スピリット、3/3ドラゴン、5/4スフィンクスなどは
取れる機会があるのであれば、貴重品である。
・イゼットでは「確実な一撃」がハイセンス。
ボロスの教導と、イゼットのスペル誘発を両方狙っていく形が好みであります。
「夜帷のスプライト」は、場に残っている=相手に除去がないということなので
割と自信を持って敵の3/4飛行、2/3飛行を葬れる。
・「再活」は理屈上は多色と相性が良い?
フラッシュバックよりも弱いがっかり能力で、不満ももちろんあるのだが
好意的に考えれば、手札のダブついたカードの再利用価値をあげる効果を
持っている、ということである。
一度「ギルド会談」と3/3二段攻撃を使った多色ゲートデッキを狙ってみたが
そこで再活と多色の相性のよさに気がついた。
要は、「土地を18入れやすく」かつ
「マナ事情で使えないカードの手札の再利用価値を上げてくれる」
あくまで、初手で高得点な赤青アンコモン・レアから入っているときの選択肢であり
コモンレベルでの完成形はない。
そのスタートラインに立てた時には面白いギルドである。
イゼット自体がマニアックな色のため、
0/4壁「静電場」「ギルド魔道士」「光線分割の魔術師」1/3飛行「小柄な竜装者」など
低マナ域のイゼットカードは卓上も触りにくく、
マルチカードが拾いやすいのが利点である。
---------------------------
セレズニア
---------------------------
召集がキーワード能力で一本調子のデッキになりやすいが
サイズ面、ライフゲイン能力でボロスに強く、トークン戦術はディミーアに強い。
全体的にカードパワーが弱い中、
セレズニアがクリーチャー単価で圧倒しないように接死のクリーチャーが多めに収録され
バランスが取られている形になっているように思います。
以下、ドラフト感
・4/4ケンタウロスが軸
攻め手としては3マナ域2体で止まるのは残念だが
単発で負けるのは包囲ワームのみ。相対的には軸として及第。
こいつをさっさと出し、警戒+召集でアンコモンの4/5飛行やX/Xに繋げていくのが
セレズニアのゲームフローである。
もちろんこいつで勝てることはないので、勝ち手段としては勘定しない。
・セレズニアで取りまくるカードは「鋼銅の甲虫」
召集で重要なのは、低マナ域の「持久性」である。
「癒やし手の鷹」や2/2警戒「盾仲間」を召集に使った後、
小兵たちが中盤以降も機能し続ける展開が、召集では最も強い。
軽い除去がすくないので、「鷹」を2/2にして召集につなげる初動は特に強力だ。
終盤に引いた虫は、2/3飛行「巡視兵」から教導操作が狙える。
希少カードではあるが「サンホームの重鎮」と組んだときには特にすごい効率である。
逆にいえば、虫がいないと安い1~2マナ域は単独でほぼ何もしてくれなくなる。
(虫がいないならそもそも「盾仲間」は採用できなくなるレベルである)
虫は取れるだけ取りまくっておこう。
ラヴニカでは、
ギルド特性のクロスオーバーというのも構築の魅力であり、
白緑で使えるキーワードは「召集」「教導」「宿根」の3つ。
個人的には「宿根」はクリーチャーをたくさん入れるという観点では近いものの
死んだら困るので、相性はあまりよくないと思っております。
単体で強い「活胞子のワーム」ですら、できれば召集持ってる別のがいいかな
と思ってしまう程度。
セレズニアじゃ、クリーチャーは場に残したほうが強いからであります。
包囲ワームと択れる状態なら包囲ワームのがいい。
だいたいのプレイ感覚としては
セレズニアは「召集」「教導」の連合軍。
3色にするメリットはほとんどないので、
純正2色を狙う形になるのではないでしょうか。
汎用的な初手からスタートできることはかなり少ないので、
色の好み&決め打ち気味な性質を持つギルドかもしれません。
---------------------------
ゴルガリ
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前作のキーワード「活用」は
(活用:墓地から+1/+1カウンターになって戻ってくるやつ)
1枚完結で2段階動作する単純な強化特性であった。
今回のキーワード能力は「宿根」
これがクセモノで、1枚で完結しない内容のために
デッキごと完成させなければ機能しない。
平たく言えば弱いギルドと思っていたが
対戦相手が出してくる4/4ライフゲイン「クロールの食料隊」が毎回強く
実際自分もゴルガリを組んでみたら7勝。
大穴ポジションには変わらないが
なんだ?強いのかと評価を改めている段階で、
個人的には好きなギルドである。
「クロールの食料隊」はゴルガリ以外ではまず使いみちがなく
固め取り→連射されると、どのデッキで対戦していても中々苦戦を強いられる。
以下、ドラフト雑感
・墓地を増やす呪文は存在しない
スポイラー時点でわかっていたことだが
アンコモン「光胞子のシャーマン」以外は墓地を作る行為がそもそもできない。
色の不人気さ故に、光胞子のシャーマン自体は1~2枚は取れるだろう。
・極端に「宿根」依存するカード自体も少ない
0/0の「ゴルガリの略奪者」、2/2の「よろめく根茎」の2種である。
クロールの食料隊、活胞子のワームなどは宿根していなくても
ギリギリ我慢して出せる性能である。
・「泥棒ネズミ」を取りまくる
いかに損をせずに場のクリーチャーを死なせるか、というのが
ゴルガリ低マナ域が意識するべき役割。
「ネズミ」「気前のいい野良猫」がゴルガリのテーマに合うカードだが
できれば2マナのネズミを固め取りするほうが望ましい。
ネズミと食料隊を連打するゴルガリを想像してみればダルさがわかるはずだ。
後半で変換できるように4/1飛行「クロールの群れ」があるとなおよい。
・1/4「イトグモ」を取る
ボロスだけでなく、苦手なディミーアにも強いカードである。
最終的にはディミーアもライブラリがなくなる前に勝つ必要があり、
これに対処行動をしなければならない。
もちろん、たくさんは必要ない。
・諜報をもつ除去は最優先で取る
基本的に今回はクリーチャーが弱いため
(軽いクリーチャーに要除去対象が集中し、重いクリーチャーが弱い)
今作では、個人的な見解としては「除去は弱い」セットである。
しかし、ゴルガリにとっては諜報除去は重要だ。
もちろん卓上でも高いので、取れなければ「切断された糸」でガマン。
ネズミが取れていればこのカードも十分便利なカードではあるが。
・「押しつぶす梢」メイン採用
飛行かエンチャントを破壊できる。
ディミーアの項目でも書いたが、
あちらのデッキは飛行を潰されたら勝ち目のなくなるデッキである。
飛行をすべて潰して時間を作り、手札0の状態から
デッキのクリーチャーをめくれた順に全部出すまで付き合ってもらう。
全然逆転可能であり、対青黒への標準的な勝ち筋の形とすら言えるかも。
反復になりますが
まず「ギルド間相性」を理解するのが
ラヴニカのリミテッドでは習熟の初歩であります。
歴代ラヴニカセットでも、ゴルガリやオルゾフは常にディミーアのカモであった。
ゴルガリが7勝を目指す際には、これは必要な視点であります。
ゴルガリは、
初手でスタートできるカードがそもそもレアまで含めても非常に少ない。
(そのうえ、最上位のヴラスカと分割レアは
別の色からのタッチで使いやすい性質、という始末)
「ゴルガリの拾売人」ですらボーダーという感じだろうか。
それでも
卓上の流れからゴルガリに行ったほうが良い場合は必ずあるため、
ゴルガリを狙うときの組み方は、嗜み的に習得しておかねばならんでしょう。
全体的にカードの強さが渋いとき、
専用・安価なカードで固め取りできるゴルガリのカードは
備えとしていくつか拾っておいても良いように感じております。
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